浮世絵春画|江戸の春画を見る

春画の世界を覗いてみませんか?浮世絵で見る江戸時代のセックスの仕方や四十八手のやり方。花嫁の性教育に使われ、ゴッホも愛した、浮世絵師の高い技術が使われながらも、頑なに隠され続けた春画の世界とは。
江戸時代のエッチな浮世絵、春画をご存知ですか?
春画を知らねば浮世絵を知ったことにはなりません。
博物館で展示されない浮世絵の世界を解説します。

あなたは、春画を見たことがありますか?
浮世絵春画の特徴として、性器が大変強調して描かれていることが挙げられます。
また、表現がどこかコミカルなものや、現代のポルノとは比較にならないような過激な表現から、江戸文化のセンスを垣間見ることができます。

春画は当時「笑絵」とも呼ばれてていました。
セックスがコミカルというのは、私達現代人にとって違和感を感じることかもしれません。
しかし、実際にセックスしているのを客観視したら、それはコミカルなものに見えるかもしれません。
そもそも、セックスに笑いはつき物なのではないでしょうか?

現代の私達にとっては、セックスや性欲の表現はタブーとされがちです。
しかし、江戸の文化は、それらを抵抗なく受け入れて、本質に迫っているような気がします。
デフォルメされたセックスの絵でありながら、過激なまでにナマナマしい浮世絵春画ですが、それだからこそ芸術的にも価値が高いといえるでしょう。

時代は変わり、数百年前の春画を見ると、奇異な世界の性を描いたものに見えるかもしれません。
しかし、よくよく味わっていると、江戸時代の庶民に根付いた、男女のセックスの世界が、いきいきと描かれていることに気づくでしょう。
葛飾北斎の春画、いかにもすごそうなタイトルです。

しかし、私個人の趣味としては、葛飾北斎の絵師の才能が本当にすごくなったのは、中年から晩年にかけてだと言う意見です。
まあ、一般的にはセックスのことなんてどうでもよくなるような歳に描かれた物が、好きなんですね。
この時期には、もう浮世絵とか春画なんていうジャンルや先入観が見事に崩れるような、痛快でぞっとする作品が多数あるんですが、今回はもう少し春画らしい時期のものを取り上げたいと思います。

北斎が春画の制作をしていたのは、50代の数年間といわれます。
ちょうどエロオヤジとして脂の乗り切った時期だったのでしょうか?(笑)
とはいえ、「富嶽三十六景」を完成させた70代には、本人が「50代までに描いた作品にはまともなものがなかった」言っていますので、北斎の才能のピークよりはかなり前に書かれていたといえるでしょう。

しかし、有名な「タコに犯される海女」「波千鳥」「喜能会之故真通」など、他の作家とは一味違う特徴が見られるものも多いです。
陰毛一本一本にまで迫ったセックスの写実性、奇妙な世界観など、北斎の持ち味が出ています。

しかし、その後90歳で亡くなるまでの北斎の筆の冴え方は、精力ギンギンのおじいちゃんと言った感さえ抱かされます。
金子光晴(1895年12月25日〜1975年6月30日)の春画をご覧になったことはありますか?
放浪の詩人と呼ばれる金子光晴は、一風変わったその人生を飾る数々のエピソードは興味深いものがあります。

金子が、アジアやヨーロッパを放浪する中、春画を描いて旅費を稼いでいたエピソードをご存知でしょうか。
光晴は、美術学校を中退した過去があり、旅をする間、金はなかったものの、春画を描けば、どこの国でも稼ぐことができたようです。

詩を書き、春画を描いてはを売りながら、妻の三千代とシンガポール、ジャワ島、マレー半島といったアジアの国々、ヨーロッパはフランスはパリ、ベルギーを旅したそうです。

旅のなかで描かれただけあって、色彩的なセンスが冴えるエキゾチックな春画。一度ご覧になってはいかがでしょうか。
あぶな絵という言葉をご存知ですか?

春画の事をさす場合もあるようですが、また別物をさす場合もあります。
享保七年に幕府により好色もの本が禁止されました。
しかし、この幕府の取締りに引っ掛からないように描かれた浮世絵のことをさしてあぶな絵と言うのが一般的かもしれません。

春画 は、セックスの一場面や、性的なもの全般が描かれます。
性玩具を使っているものや、性器などの大胆なデフォルメ、通常ありえないようなシーンが描かれます。

その一方で、美人画があります。
こちらは、どなたも安心して堪能できるものですが(笑)
主に若い女性が描かれているのをご覧になった方もいらっしゃるでしょう。

しかし、これらとは異なるのが、ここで言う「あぶな絵」です。

あぶな絵は、春画の需要と幕府の禁止令の間でできたものといえるかもしれません。
春画のような大胆で露骨な表現は抑えられ、きわどい構図であっても、春画ほど扇情的ではありません。
ほぼ裸体の女性やあらわな乳房などが描かれることもあり、セックスしていない状況のものはあぶな絵ととらえていいでしょう。
女性が色っぽいしぐさ、無防備な様子で入浴、沐浴しているもの、湯上りに涼んでいるさま、着物の裾の乱れた様子などをよくみます。

春画のほうで技術を発達させ、男女を描くことに熟練した絵師達が、その技術を応用して取り組んだのでしょう。
現代のチラリズム(?)着エロ(ではないか)的といえるかもしれません。
浮世絵や春画を見る機会がある方は、ご存知でしょうが、これらには、「付文(ふぶん)」という文章が付いているのを知っていますか?

現代は漫画大国である日本ならではかもしれませんが、春画における「文字」というのは、とても重要な要素だったようです。

春画における付文は、セックスの擬音と共に、春画の官能美の愉悦感を描写することで、濃厚な好色性を演出しています。

春画に入る文章には、
■序文
■付文
■詞書(ことばがき)
■書入れ
といった構成があります。
セックスにつき物の密かな楽しみを表現したものなどは、大胆な構図とあいまってこっけいな印象を受けます。

登場人物の会話を表現した「書入れ」は、天明8年の、勝川春章の「拝開よぶこどり」あたりから、量が増えて、ストーリー性を表現するようになったとか。

明治、大正期の春画にも、文章による大胆な表現なあったようです。
春画の付文から、時代の変化を読み取ることができるかもしれません。